はじめに
Civil 3D(AutoCAD)の2024バージョンでは、新機能がいくつか追加され、ブロックに関する新機能やマークアップなど業務効率化につながる機能もあります。
今回は新機能やCivil 3Dの更新情報などの概略を紹介しますので、試しに使ってみてはいかがでしょうか？
■AutoCAD 2024の新機能について ※Civil 3Dでも使用可能
Civil 3Dでも使用可能なAutoCAD 2024の新機能について、ブロックやマークアップに関する機能を紹介します。
特に「ブロックの置換」は使いどころが多そうなので必見です。
●スマート ブロック: 配置
図面に配置されているブロックの位置を元に、挿入するブロックの向きなどを自動的に合わせてくれる新機能です。
「INSERT（ブロック挿入）」コマンドを実行すると下図のように[ブロック]パレットが開きますので、
[現在の図面]タブに表示されている図面内のブロックから、L型のブロックを挿入してみます。
オプションに「自動配置」があり、チェックが入った状態で下図の位置を指定すると、
同じように配置されているブロックと合わせて、配置候補を表示してくれるようになりました。
※オプションの「自動配置」は2024の新機能です
[Ctrl]キーを押すと他の配置候補に切り替わるため、元のブロックに習って挿入したい時に使うと良いでしょう。
●スマート ブロック: 置換
ブロックを他のブロックと置き換える新機能です。
「BREPLACE（ブロック置換）」コマンドを実行し、下図のブロックを置換します。
置換用のウインドウが開くので、「ピック」をクリックして、L型をC型に置換します。
置換できました。元のブロックの尺度、回転角度などは置換前のままなのが特徴です。
●マークアップアシスト
「MARKUPIMPORT（マークアップ読み込み）」コマンドを使うと、PDF・JPG（PNG）といった画像データをインポートでき、図面と重ねた状態で確認できます。
先ほどのデータに下図のPDFをインポートしてみます。
トレース用の画面に切り替わり、PDFに記載されているテキスト、雲マークなどのマークアップがインポートできました。
「TRACEBACK」コマンドを実行すると「マークアップ アシスト」が使えるようになり、下図のようにマークアップが自動的に検出されます。
文字を選択するとマークアップアシスト機能により、マルチ引き出し線やマルチテキストに編過信して挿入などが可能です。
※雲マークなども図面に挿入できます
マルチ引き出線として挿入すると、下図のように作成できました。
■Civil 3D 2024の新機能の概要
Civil 3D 2024にも新機能が追加されましたが、既存の機能の改良が主でしたので、簡単に紹介していきます。
- サブアセンブリ ワークフローの新機能
[サブアセンブリを読み込む]ダイアログボックスに、「.pkt ファイルに直接リンクする」のチェック ボックスが追加されました。
- コリドー ワークフローの新機能
コリドーの摺り付けを作成・編集機能が強化され、摺り付けセット内の長さをロックしたり、移動がしやすくなりしました。
- ArcGIS ワークフローの新機能
新しい設定テンプレートを使ってArcGIS データを読み込む時、オブジェクトのスタイル設定・画層などの読み込みの設定がしやすくなりました。
- 圧力管ネットワークの新機能
平面図で垂直曲げを表示する際に、ユーザ定義ブロックを指定する機能が追加されるなど機能性が向上しました。
■まとめ
本記事では、Autodesk社のAutoCADとCivil 3Dの2024バージョンにおける新機能をご紹介しました。
ブロックが配置しやすくなっていたり、置換機能があったりと、日常的に使う機能も意外に便利になっています。
また、ワークフロー関係の改善もあったので、機能を使ってみたいと思えたかもしれませんね。
次回はNavisworksなどの機能も紹介していきますので、更新をお楽しみ下さい。
参考
１）AutoCAD 2024 ヘルプ | AutoCAD 2024 の新機能、Autodesk
https://help.autodesk.com/view/ACD/2024/JPN/?guid=GUID-3890D5F7-04CB-4F3B-97FF-7A9577D41852 （2023年5月18日 閲覧）
２）Autodesk Civil 3D ヘルプ | Civil 3D 2024 の新機能、Autodesk
https://help.autodesk.com/view/CIV3D/2024/JPN/?guid=GUID-ECDDB244-F5B9-4FFF-AF02-86CB951540F4 （2023年5月18日 閲覧）