BIM/CIMモデルは、各業務段階(設計・工事)における成果物としての正確性・信頼性を確保することが前提となります。そのため、モデル作成段階で「3次元モデル照査時チェックシート」を用いた品質確認が不可欠です。測地系や配置位置、属性情報に不備があると、モデル統合や情報活用の場面で問題が生じるおそれがあります。
本記事では、BIM/CIMモデルの照査における確認項目の整理方法について解説します。
BIM/CIMモデルにおける品質チェックの重要性
BIM/CIMモデルの品質チェックは、最終成果物としての不適合(手直し、納期遅延、コスト増加)を防ぎ、顧客満足度を高めるために不可欠なプロセスです。もし万が一、測地系や単位系、配置位置、属性情報などに不備があると、モデル同士の重ね合わせや情報活用の段階で問題が顕在化します。
そのため、作成後にまとめて確認するのではなく、あらかじめ整理された確認項目に沿って、体系的に品質をチェックすることが重要です。
BIM/CIMモデルで確認すべき主なチェック項目
BIM/CIMモデルの照査では、国土交通省が公開している「3次元モデル照査時チェックシート」に則って、照査を行うことが重要です。以下では、モデルの基本条件、3次元モデル成果物、電子成果品の3つの観点から、主な確認項目を整理します。
※年度によってBIM/CIMと3次元モデルの名称が変わる可能性があります。
▶国土交通省 BIM/CIM ポータルサイト:3次元モデル照査時チェックシート
BIM/CIMモデルが正しく作成されていることを確認する場合
BIM/CIMモデルの照査では、まずモデルが正しい前提条件のもとで作成されているかを確認します。以下は、モデル全体の基本条件や作成状況を確認するための主な項目です。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 測地系・単位系 | 測地系および単位系が正しく設定されているか |
| 配置位置 | 構造物が設計図書と整合した位置に配置されているか |
| 作成対象モデル | 事前に定めた対象モデルが漏れなく作成されているか |
| 詳細度(LOD) | 活用目的に応じた詳細度で作成されているか |
| 属性情報 | 属性情報が正しく入力されているか |
| モデルの不整合 | ねじれ、重なり、離れなどの不整合がないか |
| 外部参照 | 外部参照データのリンク切れがないか |
これらの項目を確認することで、モデル作成時の前提条件や基本的な整合性を把握できます。後続の確認を行う前に、まずここでモデルの土台となる部分を確認しておくことが重要です。
3次元モデル成果物作成要領に基づく確認を行う場合(上記の追加分として実施)
次に、3次元モデル成果物について、図面との整合を確認します。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 2次元図面との整合 | 3次元モデルと2次元図面が整合しているか |
これらの確認により、3次元モデルが設計内容を正しく反映しているかを判断できます。モデル単体だけでなく、図面や他の成果物と組み合わせた際にも問題なく活用できる状態であるかを確認します。
電子成果品が正しく作成されていることを確認する場合
最後に、電子成果品として提出するデータや書類が、適切に整理されているかを確認します。以下は、成果品の構成や格納状況に関する主な確認項目です。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| フォルダ構成 | 電子成果品のフォルダ構成が適切であるか |
| 必要書類 | BIM/CIM実施計画書や引継書シートなど、必要な書類が格納されているか |
| 3次元モデル | 引継書シートに記載した3次元モデルがすべて格納されているか |
| IFC、J-LandXML | オリジナルデータの他、IFCやJ-LandXMLの標準的なデータも格納されているか |
電子成果品は、後工程での利用や再確認を前提として扱われます。データの内容だけでなく、構成や参照関係を含めて確認することで、円滑な引き継ぎが可能になります。
まとめ
本記事では、BIM/CIMモデルの品質確認において、確認項目を整理し、基準に沿った照査方法を確認しました。 確認項目を明確にし、作業手順を統一することで、モデル品質を確保し、後工程への円滑な引き継ぎが可能となります。
