建設業界は、土木や建築を中心としたインフラ整備など、私たちの生活基盤を支える役割を担っています。建設コンサルタント、ゼネコン、サブコンは、それぞれ異なる役割を担い、連携することで、大規模な建設プロジェクトを実現しているのです。
 
本記事では、建設コンサルタント、ゼネコン、サブコンの役割と違いについて解説し、3者の関係を説明します。
 

建設コンサルタントとは?

出典:一般社団法人 建設コンサルタンツ協会
 
建設コンサルタントは、国民の生活と経済を支える道路、河川、ダムなどの社会資本整備において、調査、計画、設計などの技術コンサルティングサービスを提供する専門家です。戦後の経済成長を支え、社会基盤の形成に重要な役割を果たしてきました。
 

建設コンサルタントの役割と業務

建設コンサルタントは、設計計画、技術支援を担います。建設プロジェクトの初期段階にあたる計画・設計・調査など、そのあとの施工の効率化や品質の保持につなげるのです。
 

建設コンサルタントの具体的な役割

  • 調査計画・設計:社会資本の実現に向けて、詳細な調査・綿密な計画を立案、具体的な設計を行います。
  • 技術コンサルティング:専門的な知識と技術を駆使し、最適な解決策を提供します。
  • 合意形成のコーディネーター:行政と国民の間に立ち、中立的な立場で意見を調整し、合意形成を支援します。

 

建設コンサルタントの業務

  • 受注・契約:国や地方自治体などから業務を受注し、契約を締結します。
  • 基本事項検討:現地調査などを実施し、検討すべき事項を把握します。
  • 設計・解析・分析、計画立案・図面作成: 専門的な知識と技術を用いて、設計、解析、分析を行い、具体的な計画を立案し、図面を作成します。
  • 報告書作成・納品:検討結果を詳細な報告書にまとめ、発注者に納品します。

 

建設コンサルタントの専門分野

建設コンサルタントの専門分野は多岐にわたります。

  • 河川、砂防及び海岸・海洋
  • 港湾及び空港
  • 道路
  • 鉄道
  • 上水道及び工業用水道
  • 下水道
  • 農業土木
  • 都市計画及び地方計画
  • 地質、土質及び基礎
  • 鋼構造及びコンクリート

建設コンサルタントは調査、計画、設計段階で最新のBIM/CIM技術を駆使し、精密な3Dモデルを作成することで、プロジェクトの可視化と関係者間の情報共有も期待されています。また、行政と国民の橋渡し役、中立的な立場から合意形成を図るコーディネーターとして、高度な専門知識と技術力で社会に貢献していると言えるでしょう。
 

ゼネコンとは?

出典:一般社団法人 建設コンサルタンツ協会 
 
ゼネコンは、General Contractor(ゼネラル・コントラクター)の略称で、建設工事の元請け業者を指します。官公庁や企業など、工事を発注する施主と直接契約を結び、建設工事を完成させる責任を負うのがゼネコンの役割です。
 

ゼネコンの主な特徴

  • 総合的な機能:設計、施工、研究開発の3つの機能を持ち、建設プロジェクト全体をマネジメントします。
  • 幅広い業務:建築、土木、設備など、様々な建設業務の取りまとめを行います。
  • 下請け企業の統括:実際の工事は多くの専門業者(サブコン)に発注し、それらを効率的に管理します。
  • 高度な専門性:意匠設計、構造設計、設備設計などの専門的な知識と技術を有しています。
  • 施工管理:安全管理、工程管理、原価管理、品質管理などの重要な役割を担います。

小規模な工事であっても、1つの建設会社が全ての作業を自社で行うことは現実的ではありません。そこで、ゼネコンは実際に工事を行う複数の下請け企業、いわゆる「サブコン」に仕事を発注します。
 
ゼネコンは、各サブコンの専門分野や得意分野を比較検討し、最適な企業に業務を割り振ることで、プロジェクト全体の効率化を図ります。
 
ゼネコンの仕事は単なる発注だけではありません。建設工事は長期間にわたる大規模プロジェクトもあります。ゼネコンは、工事が計画通りに進行するよう、現場の状況を把握し、サブコンと連携を取りながら、進捗を管理する司令塔としての役割も担っているのです。
 
また、納期遅延や資材調達の困難など、予期せぬ問題が生じた場合には、スケジュールや人員の調整、さらには施主との交渉も行うのもゼネコンの役割です。
 
このように、ゼネコンは建設工事全体をコントロールし、プロジェクトを成功に導く総合プロデューサーのような役割と言えるでしょう。
 
建設DX伴走支援については、「デジタル技術は現場で活かしてこそ、意味がある。土木技術者が伴走支援する建設DX」矢作建設工業株式会社様へのインタビュー記事もぜひ参考にしてください。

 

サブコンとは?

サブコンは、Subcontractor(サブコントラクター)の略称で、ゼネコンから工事の一部を請け負う下請け業者です。
 
ゼネコンは元請け、サブコンは下請けという構図が一般的ですが、ゼネコンが他のゼネコンやサブコンから建設作業を請け負うケースもあります。そのため、ゼネコンとサブコンの役割が明確に分かれない場合もあります。
 

サブコンの主な特徴

  • 専門工事の担当:ゼネコンから振り分けられた電気設備、空調設備、衛生設備などの専門工事を担当します。
  • 建設計画と施工管理:自社のスタッフで工事を行う場合、建設計画の策定や施工管理も担当します。
  • 下請けへの発注:さらに下請けに工事を発注する場合、小規模なゼネコンとしてプロデューサー的な役割を果たすこともあります。

 

ゼネコンとサブコンの関係性

ゼネコンは施主から工事全体を元請けとして受注し、サブコンはゼネコンから特定の専門工事を下請けとして請け負います。ゼネコンが全体を統括し、サブコンが専門分野の工事を担当するという役割分担が一般的です。
 
ゼネコンとサブコンの関係性は、契約形態や工事の特性によって変化しますが、互いの専門性を活かした協力体制が、建設プロジェクトの成功には不可欠です。
 
ゼネコンにとって、専門性が高く信頼できるサブコンとの長期的な取引関係は、自社の工事品質向上につながります。このため、良好な関係を維持することが両者にとって重要です。
 

まとめ

本記事では、建設コンサルタント・ゼネコン・サブコンの違いについて解説しました。建設業界において、3者の協力体制により、効率的で高品質な建設プロジェクトの実現が可能となります。
 
建設コンサルタント・ゼネコン・サブコン、それぞれの役割でのBIM/CIM活用事例についても随時ご紹介していきます。