道路や河川の設計において、正確な土量計算は欠かせません。しかし、Civil 3Dで横断やサーフェスを使った土量計算方法がわかりにくく、困っている方も多い印象です。この記事では、初心者でもわかりやすく、Civil 3Dを使った土量計算の基本機能と具体的な操作手順を解説します。

横断抽出ラインやサーフェスの作成方法、土量計算のための平均断面や総土量テーブルの作成まで、基礎からステップごとに理解を深められる内容になっています。ぜひ、土量算出の参考にしてください。

①横断から平均断面を計算する場合

横断から平均断面を計算するのは、土木設計における土量計算の基礎的な作業の一つです。
Civil 3D®基本機能|横断抽出ラインと横断ビューから横断図を作成で作成した横断ビューを元に、数量表を作成する手順を紹介します。

横断抽出ライン グループのマテリアル リストを作成する

下図のように[解析]タブ→[土量とマテリアル]パネル→[マテリアルを計算]をクリックし、専用ウインドウを開きます。任意の線形と横断抽出ライン グループを選び、[OK]をクリックします。

「マテリアルを計算」のウィンドウが開くので、下図のように現況と計画のサーフェスを指定(作成済みのサーフェスが選択可能)します。
[OK]をクリックすると、ツールスペースのマテリアルリストが作成され、横断図に色が適用されます。

総土量テーブルを作成して数量を確認する

総土量テーブルを作成するために、[総土量テーブルを作成]ダイアログボックスを使います。このテーブルは、計画全体の土量バランスを確認するために重要です。

下図のように[解析]タブ→[土量とマテリアル]パネル→[総土量テーブル]をクリックし、先ほどと同様に任意の線形と横断抽出ライン グループを選び、[OK]をクリックします。
※マテリアルリストを作成していないと、先に進めません。テーブルの行や列の数の変更は任意です。

任意の場所をクリックすると総土量テーブルの表が作成されます。下図のように専用タブで表の項目の追加などが可能です。

②TINサーフェスから土量計算する場合

切土や盛土を計算するための土量用のTINサーフェスを作成し、数量を確認する方法を紹介します。基準となる現況地形のサーフェスから、コリドーなどで作成したサーフェスを差し引きしたTINサーフェスがあれば計算可能です。

土量計算用のサーフェスを作成する

下図のように[ホーム]タブ→[地盤データを作成]パネル→[サーフェス-サーフェスを作成]をクリックし、基準サーフェスと比較サーフェスを設定して[OK]をクリックしてください

基準サーフェス:現況地形として作成したTINサーフェス
比較サーフェス:コリドーなどで作成したTINサーフェス

下図の[プロスペクター]タブに新しく土量サーフェスが作成されたことを確認しましょう。

土量ダッシュボードで土量を確認する

下図のように[解析]タブ→[土量とマテリアル]パネル→[土量ダッシュボード]をクリックし、「土量サーフェスを追加」ボタンを押して作成したTINサーフェスを追加します。

作成した土量の数量や切土と盛土のバランスが視覚的にわかるパネルが表示されます。

まとめ

横断データを使った平均断面の計算方法と、TINサーフェスからの土量計算手順を解説しました。土量計算は重要であり、計画・実施設計と施工時のコスト管理における基盤となります。改めて以下の内容を確認しましょう。

  • 横断からの平均断面計算:横断図から土量用の数量表を作成
  • TINサーフェスからの土量計算:現況と計画サーフェスの比較によって、必要な切土や盛土の数量を算出

上記を理解することで、より精度の高い設計と効率的な土量管理が可能になります。土量計算をするにあたり、Civil 3Dの機能は難しく感じるかもしれませんが、手順に従って実施することで、確実にスキルを習得可能です。

他にも土木設計に関する記事を更新していきますので、次回の更新もお楽しみに。