はじめに
Navisworksデータを使って属性情報を付与するにあたり、オブジェクトに直接情報を付与したり、外部参照による設定をする場合があります。今回の記事では属性情報の付与の手順とそれに関わる便利機能についても解説しますので、Navisworksのノウハウを身に付けていきましょう。
1.属性情報の直接付与
Navisworksの「カスタムプロパティ」を使って、属性情報「階層1」を直接付与していく手順を紹介します。
[選択ツリー]で橋梁全体を選択し、[ホーム]タブから[プロパティ]をクリックして[プロパティ]ウインドウを表示します。
下図で示すあたりで右クリックし、「新規ユーザデータタブを追加」をクリックすると、「ユーザデータ」という新しいタブが作成されます。
空のデータが表示され、右クリックで以下を設定していきます。
- タブ名を変更:階層1
- 新規プロパティの挿入:オブジェクト(構造全体) など
「値」にも下図のような情報を入力することで、属性情報の直接付与が作成できます。
※階層1は「技術調査:BIM/CIM関連基準・要領等(令和4年3月) – 国土交通省」の
「(附属資料2) 3次元モデル成果物作成要領(案)における属性情報一覧表」を元に項目を作成しています
オブジェクト固有のIDをエクスポートしたい時
階層2~4の属性情報を付与するにあたり、オブジェクト固有のIDが必要になる場合があります。
その際には下図のように[項目]タブから「GUID」で右クリックをし、「値をコピー」して使用しますが…オブジェクトごとにコピーしていく作業は時間がかかります。
そのため、GUIDをエクスポートする方法を紹介します。
「GUID」を書き出すオブジェクトを全て選択し、[ホーム]タブの[選択と検索]にある[選択インスペクタ]をクリックしてウインドウを開きます。
「クリックプロパティの定義」をクリックし、GUIDが表示されるよう設定しましょう。
「+」ボタンをクリックし、「プロパティ」から「GUID」を選択して「OK」でウインドウを閉じます。
「GUID」が表示されました。「エクスポート」からCSVの書き出しができるので、属性情報を直接付与する際に使うこともできます。
オブジェクトのGUIDを元にExcelで属性情報をまとめてから、ODBCドライバによる外部データベースとのリンクをさせて属性を付与していくのも一つの手です。
※以下のCivil3Dにおけるデータベースリンクの参考記事もご覧ください
【Civil 3D® 2022】Excelで作成した属性情報をBIM/CIMモデルに付与する方法 | BIM/CIM HUB
2.外部参照の設定
属性情報の付与にあたり、リンク機能を使って外部参照のフォルダなどを開くようにする際に階層についての解説をします。
「INTEGRATED_MODEL」フォルダに統合モデルを入れて、「ATTRIBUTE」フォルダにリンク設定をしてみましょう。
リンク設定をしたいモデルを選択して右クリックし、「リンク」から「リンクを追加」を選択します。
ウインドウが開くので、以下のように設定して「OK」をクリックしましょう。
- 名前:橋脚P1 ※ラベルの名前になります
- ファイルまたはURLへリンク:./ATTRIBUTE/橋脚P1
ラベルをクリックすると、設定した先のフォルダやPDF・Excelなどのデータが開くようになります。(今回はフォルダとリンクさせました)
リンクの設定は相対参照にすることで、データの受け渡し時にもリンクが切れないようにすることができます。
相対参照のパスの設定について
相対参照時のパスの設定は下記も参考にしてください。
モデルデータ(.nwdなど)が、リンク先と…
- 同じフォルダにある場合→「./ファイル名」と指定する。
- 下のフォルダにある場合→「./フォルダ名/ファイル名」と指定する。
- 上のフォルダにある場合→「../ファイル名 」と指定する。 ※ピリオドは2つ
- 2つ上のフォルダにある場合→「../../ファイル名」と指定する。
- 1つ上のフォルダの中のファイルにある場合→「../フォルダ名/ファイル」と指定する。
参考文献:絶対パスと相対パス – 初心者.com
まとめ
Navisworks®の属性情報の付与方法と便利機能の紹介をしました。BIM/CIMにおける納品対応を踏まえて、どのように属性付与をするか確認し、機能を使いこなすことで業務の効率化につながります。
こうした便利機能やノウハウは他にも多くありますので随時ご紹介して参ります。
次回の更新もお楽しみ下さい。
参考資料・本記事における例示に使用したモデルのデータセット
- Autodesk Revit トレーニング教材 「1. Revit 土木向けトレーニング テキスト〜一般橋梁編〜」
https://bim-design.com/infra/training/(2022年9月14日閲覧)